歴史探偵女とてもつらいって、どこのシーンなの?



とてもつらいの由来が知りたい
この記事では、こんな疑問にお答えしますね。
- 「とてもつらい」の正確な出典と巻数
- 発言者である霊帝の驚くべき人物像
- LINEスタンプでの実装状況と活用法
- ネットミームとして拡散した文化的背景
- 併せて使いたい三国志の関連名言集


- 歴史大好き女
- 今まで読んだ歴史書籍は日本史&世界史で200冊以上
- 日本史&中国史が得意
- 特に中国の春秋戦国時代や三国時代、日本の戦国時代が好き


- 歴史大好き女
- 今まで読んだ歴史書籍は日本史&世界史で200冊以上
- 日本史&中国史が得意
- 特に中国の春秋戦国時代や三国時代、日本の戦国時代が好き
ネットやSNSを見ていると、ふとした瞬間に流れてくる「とてもつらい」という画像。
げっそりと頬がこけ、今にも死にそうな顔をした人物が、ただ一言、平仮名でつらさを訴えるその姿は、一度見たら忘れられない強烈なインパクトを持っていますよね。
そして、この画像ですが、実は漫画『三国志』のワンシーンなのですが、一体誰が、どんなシリアスな場面で発した言葉なのか、詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
「自分もこの画像を使ってみたいけれど、元ネタを知らないまま使うのは少し怖い」「LINEスタンプで探しているけれど見つからない」といった疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。
実はこのセリフ、皆さんが想像するような悲劇的なシーンではなく、むしろ思わず笑ってしまうような「しょうもない理由」から生まれたものなんです。
そこで、この記事では、歴史研究家としての視点から、このミームの正体とその背景にある物語、そして現代のネット社会で愛される理由を徹底的に解説しますね。
これを読めば、あなたも自信を持ってこの画像を使いこなし、日々のストレスを笑いに変えることができるようになるでしょう。
漫画「三国志」のとてもつらいの元ネタ


インターネット上で爆発的な人気を誇るこの画像ですが、単なるコラージュ(合成画像)だと思っている方もいるかもしれませんね。
しかし、これは正真正銘、漫画の原典に存在する一コマなんです。
そこで、ここでは、その出典や発言者の詳細について、原作漫画の描写と史実の両面から深掘りしていきます。
元ネタは霊帝という皇帝の台詞
あの印象的な画像で、今にも息絶えそうな表情で弱音を吐いている人物。
彼は、名もなきモブキャラクターではありません。
実は、中国の後漢(ごかん)王朝における第12代皇帝、「霊帝(劉宏)」その人なのです。
「皇帝」と聞くと、威厳に満ち溢れ、万民を導くリーダーというイメージを持つのが普通ですよね。
しかし、この霊帝に関しては、残念ながらそういったポジティブな評価はほとんど皆無と言っていいでしょう。
彼はわずか13歳(数え年)で即位しましたが、政治の実権は「十常侍(じゅうじょうじ)」と呼ばれる腐敗した宦官(去勢された役人)グループに握られていました。
そして、霊帝自身もまた、政治への関心を持とうとせず、宦官たちの甘言に乗せられて享楽にふける日々を送ります。
歴史的にも、彼の治世における政治の腐敗や重税が民衆の怒りを買い、やがて国を揺るがす「黄巾の乱」を引き起こす直接的な原因となったとされています。
つまり、彼は三国志という壮大な物語の幕開けとなる「混乱の時代」を招いた、暗君(愚かな君主)の象徴的な存在として描かれているのです。
ちなみに、この霊帝ですが。西暦168年から189年まで在位。
官位を金銭で売買する「売官」を行うなど、後漢の衰退を決定づけた人物なんです。
また、彼が崩御した後、後継者争いが勃発し、董卓や曹操といった群雄が台頭する時代へと突入します。
登場するのは三国志の何巻なのか


「この伝説のシーンを、実際に自分の目で確かめたい!」という方も多いことでしょう。
実は、このシーンが登場するのは、巨匠・横山光輝先生による漫画『三国志』の、記念すべき初期のエピソード内です。
具体的には、最も流通している潮出版社の単行本(全60巻)において、第3巻「乱兆」の章に収録されています。
物語としてはまだ序盤もいいところで、主人公である劉備玄徳が関羽・張飛と義兄弟の契りを結ぶ「桃園の誓い」や、義勇軍として黄巾賊と戦うエピソードの前後なんです。




なお、文庫版や愛蔵版、電子書籍版など、出版形式によっては巻数が異なる場合があります。
例えば、文庫版であれば第2巻あたりに収録されていることが多いですが、探す際は「十常侍の専横」や「霊帝の病」といったエピソードを目印にすると良いでしょう。
また、全60巻にも及ぶ長大な歴史ドラマの中で、霊帝が登場するのはほんの数ページ、この「とてもつらい」のコマに至っては一瞬の出来事なんです。
しかし、その刹那のインパクトがあまりにも強烈であったため、読者の脳裏に深く刻まれ、数十年後にはインターネットを通じて再評価されることになりました。
霊帝が訴えた不摂生な理由
さて、ここがこの記事の最大のハイライトであり、笑いどころでもあります。
一国の皇帝である彼が、なぜこれほどまでに情けない顔で「とてもつらい」と訴えているのでしょうか。
「国の行く末を案じて心労が重なったから? それとも、抗えない不治の病に侵されたから?」
いいえ、全く違います。真相は、連日の酒池肉林の宴会による「飲みすぎ・遊びすぎ」が原因なのです。
作中において、霊帝は十常侍たちにそそのかされ、宮殿の庭で昼夜を問わず宴会を繰り広げます。
「酒の池」を作り、裸の女性たちと戯れるといった、まさに放蕩の限りを尽くしていました。
その結果として体を壊し、顔色は土気色になり、目が落ち窪んでしまったのです。
つまり、彼の苦しみは100%自業自得といっても過言ではありませんよ。
そして、臣下に「お加減はいかがですか」と問われ、絞り出すように発した「とてもつらい」という言葉。
これには、「可哀想」という感情よりも、「そりゃそうなるだろう」というツッコミを入れたくなるのが人情というものです。
この「同情できない理由」と「切実すぎる表情」の絶妙なギャップこそが、このコマが長年にわたって愛され、ネタにされ続けている最大の理由だと私は確信していますね。
コラ画像のようなシュールな作画
このシーンが現代のインターネットユーザーに刺さったもう一つの要因として、横山光輝先生特有の「作画スタイル」が挙げられます。
書籍の中の霊帝の顔を見てみてください。頬は極限までこけ、目はうつろで、死相がはっきりと出ているのです。
それにもかかわらず、背景には悲劇的な効果線(集中線やおどろおどろしい背景)が一切なく、ただ真っ白な空間にポツンと描かれています。
そして、吹き出しの中には、感情を排したような明朝体に近いフォントで、「とてもつらい」という平仮名主体のシンプルなセリフが置かれているんです。
この「絵の深刻さ」と「画面構成のシンプルさ」のアンバランスさが、シュールレアリスムのような独特の空気を生み出しています。
また、吹き出しの余白が絶妙で、文字数も短いため、コラージュ素材(コラ画像)として改変しやすいという点も、ミームとしての拡散を後押ししました。
横山三国志の作画が生んだ奇跡
- 記号的な表情描写: リアルすぎず、デフォルメされすぎない絶妙なライン。
- 無機質なフォント: 悲鳴ではなく、事実として「つらい」と述べているような乾いた面白さ。
- 汎用性の高い構図: どんな文脈にも当てはめやすい「虚無感」が漂っている。
シリアスな歴史漫画であるはずなのに、どこか乾いた笑いを誘うこの独特の雰囲気は、他の漫画にはない横山三国志ならではの魅力と言えるでしょう。



霊帝の「とてもつらい」は、国の憂いではなく酒池肉林の不摂生が招いた自業自得な結末でした。しかし、横山先生特有のシュールな画風と無機質なセリフが、悲劇を通り越して独特の笑いを誘い、ネット時代の共通言語として愛される理由となっていますよ。
とてもつらい三国志のLINEスタンプ


ネット上の画像(ミーム)として楽しむだけでなく、日常のコミュニケーションツールとして、この「とてもつらい」を実際に使いたいという需要は非常に高いものがあります。
そこで、ここでは、LINEスタンプを巡る公式とファンの熱いドラマについて解説しますね。
待望のスタンプ実装とファンの声
『三国志』のLINEスタンプが初めてリリースされた時のことを覚えているでしょうか?
実は、記念すべき第1弾のラインナップには、この「とてもつらい」が含まれていませんでした。
もっとも、制作サイドの事情を考えれば、これは無理もないことかもしれません。
限られたスタンプの枠(通常は40個)には、劉備、関羽、張飛、曹操、孔明といった、物語の主役級キャラクターたちの名言(「むむむ」「なにっ」「待てあわてるな」など)を入れるのが優先されるのは当然の論理です。
そのため、物語の序盤で退場する霊帝の優先度は低かったのでしょう。
しかし、リリース直後からSNS上では、ファンからの嘆きと要望が殺到しました。
「なぜ『とてもつらい』がないんだ!」「一番実用性が高いのに!」「これがないと仕事のつらさを表現できない」と。
これほどまでに、マイナーキャラである霊帝が求められたことがかつてあったでしょうか?
そこで、このファンの熱意は公式を動かし、その後に発売された第2弾スタンプにおいて、ついに「とてもつらい」が実装されたのです。
公式側も、このスタンプを「ちょいウザ」なコミュニケーションツールとして定義し、ファン待望のリリースとなりました。
まさに、ユーザーの声が歴史(の商品展開)を変えた瞬間でしたね。
SNSでの共感を呼ぶ画像の使い方
Twitter(現X)をはじめとするSNSでは、この画像は単なる「体調不良」の報告以上に、極めて多様な文脈で使用されています。
ユーザーたちは、霊帝の姿を借りて、現代社会における様々な「限界」を表現しているのです。
| 使用シーン | ユーザーの心理と意味合い |
|---|---|
| 仕事の締め切り直前 | 終わらないタスク、迫りくるプレッシャーという「絶望的な状況」を、笑いに変えて共有したい心理。 |
| 月曜日の朝 | 社会人として誰もが感じる憂鬱や、会社に行きたくない気持ちを代弁させる。「社畜」としての連帯感を生む。 |
| 推しのイベント・供給 | 好きなキャラクターやアイドルの新規情報が投下された際、「尊すぎて心臓が持たない」「情報過多で処理しきれない」という嬉しい悲鳴。 |
本来は「自業自得の不摂生による苦しみ」を描いた画像になります。
しかし、現代の文脈では「不可抗力のストレスや、感情の許容量オーバー」を表現するアイコンとして、意味が反転して使われているのが非常に面白いところですね。
私たちは、ダメ人間である霊帝の姿に、完璧ではない自分自身を重ね合わせ、許しを求めているのかもしれません。
孔明の罠など関連ミームとの併用
「とてもつらい」は、単体で使うだけでなく、他の有名な三国志ミームと組み合わせることで、まるで4コマ漫画のようなストーリー性を持たせることができます。
そして、この「コンボ技」を使いこなせれば、あなたも立派な三国志ミームマスターです。
例えば、仕事で予期せぬトラブルが発生したとしましょう。
まず、曹操などが驚いた時の顔である「げぇっ!」のスタンプを送ります。
これで「何かヤバいことが起きた」というインパクトを与えることが出来ますよ。
次に、その原因が自分には理解できない、あるいは理不尽なものである場合、司馬懿などの「孔明の罠」(または「これは孔明の罠だ」)を使用します。
これにより、「自分は悪くない、これは誰かの陰謀だ」という責任転嫁のニュアンスをジョークとして伝えることが出来ます。
そして、解決策が見つからず、どうしようもなくなった最終局面で、満を持して霊帝の「とてもつらい」を着地として使います。
このように、スタンプだけで起承転結のある会話が成立してしまうほど、横山三国志のミーム群は感情表現のエコシステムとして完成されているのです。
言葉で長々と説明するよりも、この3枚の画像を貼るだけで、状況の悲惨さが相手に伝わることでしょう。
若者の間で変化する言葉の意味


言葉というものは時代とともに変化していくものですが、この「とてもつらい」もまた、若い世代やオタク文化(推し活界隈)の中で、驚くべき意味の変容を遂げています。
それは、本来はネガティブな「苦痛」を表す言葉でしたが、現在ではポジティブな「愛情の極致」を表す言葉としても定着しているのです。
いわゆる「尊い(とうとい)」という感情が行き過ぎた状態です。
例えば、応援しているアイドルのライブが素晴らしすぎたり、漫画の推しキャラクターが魅力的な活躍を見せたりした時、人はあまりの幸福感に脳の処理が追いつかなくなります。
この「好きすぎて胸が苦しい」「情報の供給過多でしんどい」という感覚が、物理的な「つらさ」として知覚されるのです。
そんな時、霊帝のあの死にそうな顔の画像は、言葉では言い表せないほど感情が高ぶっている状態を表現するのにうってつけですよね?
また、SNSで「推しの新衣装が良すぎてとてもつらい(画像略)」といった投稿を見かけても、心配する必要はありません。
それは、最上級の賛辞であり、至福の悲鳴なんです。
1800年前の皇帝も、まさか自分の断末魔の表情が、未来で「萌え」の表現に使われるとは夢にも思わなかったことでしょうね。
ゲーム作品における難易度の表現
この言葉は、コーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲーム『三國志』シリーズを愛好するゲーマーたちの間でも、共通言語として深く浸透しています。
特に『三國志14』などの近年の作品では、プレイヤーがあえて極端に不利な状況から天下統一を目指すプレイ(通称:マゾプレイ)が人気を博しています。
例えば、兵士も食料もほとんどない弱小勢力でスタートしたり、四方を強力な敵国に囲まれた「包囲網」シナリオを選んだりする時です。
このような、一手間違えれば即ゲームオーバーというヒリヒリするような難局に直面した際、プレイヤーたちは敬意と自嘲を込めて、その状況を「とてもつらい」と形容します。
また、ゲーム内のイベントや能力値の設定において、霊帝が登場する作品もありますが、彼の能力値は総じて低く設定されています(政治や知力が極端に低いなど)。
プレイヤーが霊帝勢力でプレイすること自体が、まさに「とてもつらい」難易度となるわけです。
このように、ゲームコミュニティにおいてこの言葉は、高難易度への挑戦を楽しむ合言葉のような役割を果たしていると言えるでしょう。



当初は落選したスタンプがファンの熱意で実装された事実は、この画像の愛されぶりを如実に物語っていますね。仕事の愚痴から推し活の「尊い」感情まで、あらゆる「つらさ」をユーモアに変えて共有できる、現代のコミュニケーションに不可欠なツールと言えます。
よくある質問(FAQ)
最後に、検索ユーザーの方が気になっているであろう疑問について、歴史研究家の視点からQ&A形式で詳しくお答えします。
Q1. ゲーム『三國志14』に「とてもつらい」というイベントは実在しますか?
残念ながら、特定の歴史イベント名として「とてもつらい」が存在するわけではありません。しかし、難易度が極めて高い「氏姓覇乱」などの仮想シナリオや、疫病やバッタ(蝗害)の発生で国力が疲弊した状況を表現する際に、プレイヤー間でスラングとして頻繁に使用されていますね。
Q2. 霊帝の「とてもつらい」Tシャツなどのグッズは販売されていますか?
はい、過去に何度か商品化されています。「三国志」とアパレルブランドのコラボレーションなどで、霊帝の顔と台詞がプリントされたTシャツやパーカーが販売された実績があります。そのシュールなデザインから人気が高く、現在は入手困難な場合が多いですが、中古市場やフリマアプリ等で見かけることもあります。
Q3. 元ネタのシーンを無料で読む方法はありますか?
マンガ配信アプリ(LINEマンガやピッコマなど)のキャンペーンを利用するのが確実ですね。横山光輝『三国志』は定期的に「〇〇巻まで無料」といったキャンペーンが行われており、霊帝が登場する第3巻は序盤のため、無料対象になりやすい傾向があります。そのため、出版社やアプリの公式情報をこまめにチェックすることをお勧めします。
まとめ:現代を救う「三国志」のとてもつらい
ここまで、三国志の「とてもつらい」というミームについて、その発祥から現代での活用法まで幅広く解説してきました。
歴史を振り返れば、霊帝は決して褒められた君主ではありません。
自らの欲望に忠実に生き、国を傾け、その結果として体を壊して弱音を吐く。
そのため、英雄譚である『三国志』の中では、本来なら軽蔑されるべき「ダメ人間」の典型なんです。
しかし、だからこそ、彼のその姿は現代人の心に深く刺さるのではないでしょうか。
私たちは日々、立派な大人であること、有能な社会人であることを求められ続けています。
関羽のように義理堅く、孔明のように賢く振る舞おうとして、知らず知らずのうちに無理を重ねています。
そんな時、ふと目に入る霊帝の「とてもつらい」という正直すぎる一言は、「まあ、皇帝だってつらい時はつらいって言うんだし、自分も弱音を吐いてもいいか」という、奇妙な安心感と許しを与えてくれますよね?
そこで、もしあなたが今、仕事や人間関係、あるいは日々の生活で疲れを感じているなら、心の中でこっそり霊帝の画像を思い出してみてください。
そして、信頼できる誰かにスタンプを送ってみるのも良いでしょう。
その「つらさ」を笑いに変えて共有できた時、あなたの心は少しだけ軽くなっているはずですから。



英雄ではない霊帝の情けない弱音だからこそ、完璧を求められる現代人の心に深く響くのでしょう。つらい時は無理をせず、この画像を思い出して「皇帝もつらかったんだ」と笑い飛ばす。それこそが、時を超えて彼が遺してくれた、現代を生き抜く処世術なのです。
※本記事の情報は歴史学的・考古学的な諸説に基づいています。歴史の解釈には諸説あり、新たな発見によって定説が変わることもありますので、知的好奇心を満たす一つの視点としてお楽しみください。
