三国志は、中国史で実在した歴史という事は、広く知られています。
そして、キングダムですが、これは日本の漫画界では有名な作品であり、実在した中国史を元に描かれています。
ここで、一つの疑問が浮かびます。
「三国志とキングダムはどっちが先なのか?」
どちらも、長い中国史の中で実際に起きた出来事ですが、どちらが先かについて、今一つ分からないという人も多いと思います。
そこで、当記事では三国志とキングダムはどっちが先なのか?について解説します。
三国志とキングダムの時代背景

ここでは、三国志とキングダムそれぞれの時代背景について解説します。
キングダムの舞台となる春秋戦国時代とは?
「キングダム」は、中国春秋戦国時代末期を舞台にしています。
この時代は、中国が「戦国七雄」と呼ばれる秦、趙、魏、韓、楚、斉、燕の七大国に分かれ、それぞれが覇権を争っていた時期です。
紀元前5世紀ごろから始まる春秋時代に続き、紀元前3世紀後半まで続く戦国時代へと移行しました。
特に「キングダム」の時代は、秦が他の六国を次々と滅ぼし、中国を統一するまでの約25年間(紀元前245年~紀元前221年)を中心として描かれています。
この時代は、中国史の中でも軍事力や政治改革が飛躍的に進んだ時期でもありました。
特に、秦では法家思想を基盤とした政策が展開され、他国に対して圧倒的な軍事力を保有していました。
三国志に描かれる三国時代とは?
「三国志」の舞台となる三国時代は、春秋戦国時代から約400年後、漢帝国の終焉とともに訪れた中国の分裂期です。
この時代は魏、蜀、呉という三国が覇権を争ったことで知られています。
特に、西暦184年の黄巾の乱をきっかけに、東漢の中央政権が弱体化し、その後群雄割拠の時代に移行していきます。
最終的には、魏が国家統一を目指しますが、内紛や外圧もあって北方の異民族により大きな混乱に陥りました。
結局、三国時代は265年に魏が西晋に取って代わられ終焉を迎えます。
この三国時代では、策略を用いた政治闘争や中国全土で展開された壮大な戦いが行われ、様々な英雄や軍師が活躍したことでも有名です。

春秋戦国時代と三国時代の年表比較
春秋戦国時代と三国時代は、それぞれ中国史における重要な分岐点として知られています。
春秋戦国時代は、紀元前770年から紀元前221年まで続きました。
特に、「キングダム」の時代である紀元前3世紀では、国家統一を目指した秦が台頭し始めます。
そして、三国時代は西暦184年の黄巾の乱を契機に始まり、265年の晋の建国で幕を閉じます。
「キングダム」の舞台となる時代と「三国志」の舞台となる時代を比較すると、約400年の差があります。
それぞれの時代背景は全く異なりますが、国家の統一と分裂が交互に繰り返されていることが分かります。
これらの繰り返しは、古代から現在まで続く中国史全体の特徴とも言えます。

キングダムと三国志、その年差は意外とありますね。



キングダムの舞台は紀元前なのでちょっと古いけど、実際にあった出来事を元に描かれています。
登場人物たちの背景
ここでは、三国志とキングダムそれぞれの登場人物たちの背景について解説します。
キングダムの主人公・信と史実の関係
「キングダム」の主人公である信は、史実では「李信(りしん)」として知られています。
史実における李信は、秦の将軍として春秋戦国時代末期に活躍した人物です。
ただ、歴史書には彼の詳細な記述があまり多く残っておらず、その人物像には謎が多くなっています。
「キングダム」では、無名の一兵卒から将軍への成り上がりを描いたストーリーが展開されており、この設定にはフィクションの要素が多く含まれています。
その一方で、始皇帝や王騎、王翦といった歴史上の実在人物が登場する中、史実を意識しつつも大胆なアレンジが加えられている作品となっています。
このため、物語内の信は史実以上に「彼がどのような想いで戦い抜いたのか」という背景を深く掘り下げており、読者の興味をひいています。
三国志の英雄たち:劉備や曹操の実像
「三国志」に登場する英雄たちも、その多くが実在した歴史上の人物です。
劉備は蜀の初代皇帝で、民衆に寄り添う姿勢や誠実さが強調されて描かれています。
ただ、史実においては冷徹な一面もあったと言われています。
また、曹操は魏の実質的な建国者であり、知略に優れた人物として「三国志演義」などでは強大な敵として描かれています。
しかし、実際には詩人や文化人としても有名で、多才かつ魅力的な人物であったと評価されているのです。
そして、孫権は呉の建国者として若き時代から父や兄を支え、結果的に三国の中で最も長きにわたり国家の基盤を安定させています。



中国史で秦の始皇帝を知らない人はいないですよね?



秦の始皇帝は初めて7国を統一した人物なので、中国はもちろん日本でも有名な人物ですよ。
三国志とキングダムの類似点と違い


ここでは、三国志とキングダムとの類似点や違いについて解説します。
テーマにおける共通点
「キングダム」と「三国志」は、どちらも中国史に基づいた壮大な物語でありながら、共通するテーマがあります。
その一つが、「群雄割拠の時代を生き抜く人々の葛藤」です。
「キングダム」では、春秋戦国時代の七国による争乱が描かれいます。
そして、「三国志」では魏・呉・蜀の三国分立が舞台となっています。
どちらの作品も、乱世において統一や平和の理想を掲げる英雄たちが登場し、彼らのビジョンや行動が物語の中心となっています。
さらに、「キングダム」の信が一兵卒から将軍へと駆け上がるように、「三国志」でも劉備が庶民出身でありながら皇帝へと成り上がる成長物語が描かれています。
政治と戦争の描き方の違い
「キングダム」と「三国志」は、政治と戦争の描き方にも大きな違いあります。
「キングダム」では、中華統一を目指す秦国の大規模な軍事作戦を中心に、戦略的な布陣や武将同士の直接対決が重点的に描かれています。
そして、「三国志」では、戦争だけでなく政治の駆け引きや陰謀の要素が多く含まれています。
特に、諸葛亮が行う知略戦や、曹操が政治力を駆使して権力を拡大する様子は、「三国志」の政治的な魅力を際立たせています。



キングダムの時代には、諸葛孔明のような天才軍師はいたのでしょうか?



趙のその時代で言えば趙の李牧が有名で、秦の侵攻を2度も食い止めています。
まとめ
三国志とキングダムですが、どちらも実在した中国史をテーマに描かれています。
そして、どっちが先なのか?については、三国志よりもキングダムの方が約400年早くなっています。
キングダムで描かれている春秋戦国時代は、紀元前770年から紀元前221年の秦が中華統一するまで続きました。
また、三国時代ですが、西暦184年の黄巾の乱から始まり、西晋が統一する西暦265年に幕を閉じています。